埋もれていた「女真族」と「金国」の歴史・文化に光を当てたロシアの
名著!日本文化との意外な共通点とは―。
本書は、おもに中国東北地区からロシア極東地区に暮らしていた民族
「女真」と、彼らが建国した「金」の文化と歴史を論じたものである。
その起源に始まり、周辺地域文化を受容したり、逆に発信したりしながら、
どのように発展、継承されていったかを多角的な資料で分析している。
……(略)……女真文化を正当に評価することは、日本文化を正当に評価
することにつながっていく。本書に啓発されて、日本文化と女真文化に
意外な共通点があることもわかってきた。
文献、考古、民族誌の成果を縦横無尽に活用して、歴史・文化を叙述する
著者の手法は、日本における文化研究にも裨益すること大である。歴史や
文化の研究を志したいと考える方にはぜひともお読みいただきたい。
―「訳者まえがき」より
【目次】
序
第1章 1115年までの女真文化
生産活動/集落/住居/衣服と装身具/食物と器/家族と家庭生活の慣行/風俗
と慣習/宗教と祭祀/言語と文字/自然科学の知識
第2章 金国の文化(1115~1234)
産業/都市と集落/建物と造作/服装と装身具/食物と道具/家族とその習慣/
風俗と慣習/宗教と祭祀/言語と文字/碑文と金石学/書籍と出版/文学/建築
様式/彫刻/絵画/工芸/学術/教育
第3章 結論
未解決の問題/女真文化の起源/文化的相互交流/文化政策/文化プロセス/
女真の文化的独自性/金崩壊後の女真民族と文化/女真の継承者
結び
資料編(参考文献、索引、図版等)