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書籍番号 82244
書  名 移動する渡来系工人ネットワーク
シリーズ (「文化財と技術 別冊1)
データ A5 222頁
ISBN/ISSN 2187-4328
編著者 鈴木 勉著
出版年 2024年4月 
出版者 工芸文化研究所
価 格 1,100円(税込)

                    <目次>

-古代の人々の暮らしぶりを!-
第1章 江田船山古墳の銀象嵌鉄刀銘を読む
1.象嵌銘の金石学
2.刀剣と「切れ味」
3.江田船山銀象嵌鉄刀銘が説く「よい材料、よい鍛錬、よい焼き入れ」
4.5世紀のはがね論
  コラム1-1 <「切れ味」の歴史的意義と神話を崩した事例>
  コラム1-2 <床屋さんのうぶ毛用と剛毛用のかみそり>
    コラム1-3 <ずく・はがね・なまがねと鋼>
  コラム1-4 <宮地嶽古墳出土刀の復元>
    コラム1-5 <釈文と釈読>

第2章 円弧状なめくりたがねと移動する渡来系工人ネットワーク
1.移動する渡来系工人ネットワーク論はこうして展開された
2.曲線・円文を彫るわざ
3.5世紀末葉までの九州地方の円弧状なめくりたがね
4.九州を移動する渡来系工人ネットワーク
5.トピックス<宮崎県えびの市島内地下式横穴139号墓出土象嵌鍛冶具
                が出土>
    コラム2-1 <技法と技術>
    コラム2-2 <鉄にたがねを打ち込む>

第3章 日本書紀の物語-大王・渡来系工人・在来工人のあつれきー
1.雄略紀十三年九月の記事
2.為政者・渡来工人・在来工人の軋轢
3.あやしい死刑宣告
4.書紀編者の執筆意図を探る

第4章 線刻鉄刀と象嵌技術 
-移動する渡来系工人ネットワークの存在を確信する-
1.滝瀨芳之氏が教えてくれた円文線刻鉄刀
2.円文線刻鉄刀について
3.「円文鉄製品」への「円弧状なめくりたがね」の使用について
4.円文鉄製品の分布と移動する渡来系工人ネットワーク
5.象嵌鉄刀・線刻鉄鏃・線刻鉄刀の製作者ならびに製作地
6.トピックス <江田船山古墳から円文線刻鉄刀と?元孔鉄刀が発見さ
                  れた>
    コラム4-1 <加工硬化と作業の力>
    コラム4-2 <基準精度>
    コラム4-3 <規格品>
    コラム4-4 <豊島直博氏の大和王権下賜説>

第5章 移動する渡来系工人ネットワークのひろがり
1.移動する渡来系工人ネットワークを着想したころ
2.古代から現代の移動する工人の事例
 (1) 工人の食い扶持と仕事量
 (2) 鋳掛け屋さん
 (3) 挽物師
 (4) 洋服のオーダーメイド
 (5) 日本の野鍛冶・韓国の野鍛冶
 (6) 近現代の旋盤師
 (7) 板前
 (8) 梵鐘・大釜など鋳物
 (9) 野中古墳三尾鉄の蹴り彫り工人
 (10) 中国四川省の僻地では婚姻の準備として
 
3.東アジアを移動する工人ネットワーク
4.古代の境界について
    コラム5-1 <木彫金張り技法>
    コラム5-2 <加工の痕跡と技術を隠す技術>
    コラム5-3 <蹴り彫りたがねとなめくりたがね>
    コラム5-4 <蹴り彫り技術の技術水準>

付録 金工技術カタログ その1<115~  >
1.線彫り七種
  (1)点打ち
  (2)蹴り彫り
  (3)打ち込み
  (4)なめくり打ち
  (5)なめくり挽き
  (6)毛彫り
  (7)連点打ち
2.立体表現の技術 その種類と見分け方
 (1)平面から立体へ
 (2)打ち出し、打ち凹ます
 (3)彫りくずし
 (4)鋳造と彫金
 (5)複合技術
3.円文を作る
4.はりがねを作る
5.きさげとせん
6.金属の接合
 (1)固相拡散接合
 (2)中国と韓半島の細粒細工
 (3)日本列島に伝わった細粒細工と堤状連珠文
  コラム付-1 金宇大さんの潔さ