<目次>
-古代の人々の暮らしぶりを!-
第1章 江田船山古墳の銀象嵌鉄刀銘を読む
1.象嵌銘の金石学
2.刀剣と「切れ味」
3.江田船山銀象嵌鉄刀銘が説く「よい材料、よい鍛錬、よい焼き入れ」
4.5世紀のはがね論
コラム1-1 <「切れ味」の歴史的意義と神話を崩した事例>
コラム1-2 <床屋さんのうぶ毛用と剛毛用のかみそり>
コラム1-3 <ずく・はがね・なまがねと鋼>
コラム1-4 <宮地嶽古墳出土刀の復元>
コラム1-5 <釈文と釈読>
第2章 円弧状なめくりたがねと移動する渡来系工人ネットワーク
1.移動する渡来系工人ネットワーク論はこうして展開された
2.曲線・円文を彫るわざ
3.5世紀末葉までの九州地方の円弧状なめくりたがね
4.九州を移動する渡来系工人ネットワーク
5.トピックス<宮崎県えびの市島内地下式横穴139号墓出土象嵌鍛冶具
が出土>
コラム2-1 <技法と技術>
コラム2-2 <鉄にたがねを打ち込む>
第3章 日本書紀の物語-大王・渡来系工人・在来工人のあつれきー
1.雄略紀十三年九月の記事
2.為政者・渡来工人・在来工人の軋轢
3.あやしい死刑宣告
4.書紀編者の執筆意図を探る
第4章 線刻鉄刀と象嵌技術
-移動する渡来系工人ネットワークの存在を確信する-
1.滝瀨芳之氏が教えてくれた円文線刻鉄刀
2.円文線刻鉄刀について
3.「円文鉄製品」への「円弧状なめくりたがね」の使用について
4.円文鉄製品の分布と移動する渡来系工人ネットワーク
5.象嵌鉄刀・線刻鉄鏃・線刻鉄刀の製作者ならびに製作地
6.トピックス <江田船山古墳から円文線刻鉄刀と?元孔鉄刀が発見さ
れた>
コラム4-1 <加工硬化と作業の力>
コラム4-2 <基準精度>
コラム4-3 <規格品>
コラム4-4 <豊島直博氏の大和王権下賜説>
第5章 移動する渡来系工人ネットワークのひろがり
1.移動する渡来系工人ネットワークを着想したころ
2.古代から現代の移動する工人の事例
(1)
工人の食い扶持と仕事量
(2) 鋳掛け屋さん
(3) 挽物師
(4) 洋服のオーダーメイド
(5)
日本の野鍛冶・韓国の野鍛冶
(6) 近現代の旋盤師
(7) 板前
(8) 梵鐘・大釜など鋳物
(9)
野中古墳三尾鉄の蹴り彫り工人
(10)
中国四川省の僻地では婚姻の準備として
3.東アジアを移動する工人ネットワーク
4.古代の境界について
コラム5-1 <木彫金張り技法>
コラム5-2 <加工の痕跡と技術を隠す技術>
コラム5-3 <蹴り彫りたがねとなめくりたがね>
コラム5-4 <蹴り彫り技術の技術水準>
付録 金工技術カタログ その1<115~ >
1.線彫り七種
(1)点打ち
(2)蹴り彫り
(3)打ち込み
(4)なめくり打ち
(5)なめくり挽き
(6)毛彫り
(7)連点打ち
2.立体表現の技術 その種類と見分け方
(1)平面から立体へ
(2)打ち出し、打ち凹ます
(3)彫りくずし
(4)鋳造と彫金
(5)複合技術
3.円文を作る
4.はりがねを作る
5.きさげとせん
6.金属の接合
(1)固相拡散接合
(2)中国と韓半島の細粒細工
(3)日本列島に伝わった細粒細工と堤状連珠文
コラム付-1 金宇大さんの潔さ